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2011-01-12

漢の2011年大予想:Androidの大躍進?

スマートフォンの2大勢力と言えばiPhoneとAndroidだ。2011年1月現在、両者の勢力はちょうど拮抗していると考えて差し支えない。勢い、つまり新規登録台数ではAndroidが優勢だが、市場に出まわっている端末の台数では、米国でAndroidがiPhoneを抜いたばかりといったところだ。デッドヒートを繰り広げている両者であるが、2011年末頃には勢力図が大きく変わっているんじゃないかと筆者は予想している。Androidがずっと優勢にだ。

何故そう思うか?それにはいくつか理由があるので、いつもの調子で語ってみようと思う。

Androidは破壊的

iPhone派(アップル派?)の人は口を揃えてこう言う。「iPhoneのユーザーインターフェイスは最高であり、Androidのクォリティはまだまだ追いつかない」と。確かにiPhoneは完成度が高く、そしてAndroidよりも先駆者であり、現時点で最も成功しているスマートフォンだということは疑いの余地がない。Androidは荒削りなチャレンジャーだ。

そう、確かにiPhoneは優れている。だが、優れていることが市場を支配し続けるということには繋がらない。我々はそれを何度も見てきたはずだ。その事実を鋭く指摘したのがクレイトン・クリステンセン氏であり、著書「イノベーションのジレンマ」は今も売れ続けている良書である。イノベーションのジレンマは、このブログの読者の皆さんの中にも、読んだことがある人が多いのではないか。もしまだ読んだことがないなのならぜひ読んでみて欲しい。目から鱗であることは間違いない。

イノベーションのジレンマでは、劣っているはずの技術が優れた既存技術を打ち滅ぼす様子がまざまざと描かれている。Androidのユーザーインターフェイスは、統一感やレスポンス、そして見た目の良さという点から言えばiPhoneよりも劣っている。それこそがAndroidが破壊的技術であるという証拠なのだ!

確かにAppleの製品はどれもクールでカッコイイ。ユーザーインターフェイスの使い勝手も申し分ない。iOSだけでなくOSXもだ。だが、「ユーザーインターフェイスの秀逸さ」というのは既にかなり成熟した要素であり、今以上に頑張ってそれを磨いても伸び代はそれほどない。iPhoneがユーザーインターフェイスのさらなる改良に取り組んでいる間に、Androidはせっせと別の機能に磨きをかけるだろう。ユーザーインターフェイスよりももっと伸び代の多い機能に。

例えば、NexusOneを購入したときにレビューで書いたが、AndroidはGmailとの連携がとにかく便利だ。まるで携帯メールのような感覚で、出先でGmailを受信できるし、PCのあるところでは通常の(PC版の)Gmailにシームレスに切り替えることが出来る。しかもキャリアを変えてもメールアドレスが変わらないのである。

Googleマップも素晴らしい。2010年初め頃はそれほど便利ではなかったが、度重なるバージョンアップを経て3D表示が出来るようになり、劇的に利便性が高まった。個人的にはナビとして使える場面がとても増えた。

当然Androidには課題も多い。だが、それ以上に尖った性質を兼ね備えているように思う。どの性質が市場に浸透する契機になるかは予測出来ないが、Androidには破壊的な要素がぎっしり詰まっているのである。

選べるキャリア

なんだかんだ言って、iPhoneはキャリアが自由に選べないというのは結構痛いと思う。「キャリアを変更せずに今よりも良い端末が欲しい」と考えている人は一定数存在するのではないか。そこへこぞって各社がAndroid携帯を送り込んできたら、「iPhoneとはチョット違うけどこっちもスマートフォンだし別にいいかな」という感じのライトなユーザーが、Androidに手を出すのは自然な流れだと思う。

ソーシャルゲームの主戦場に

スマートフォンの台頭により困ってしまうのが、ガラケーをメインの収入源としている企業である。特にDeNAとGREEは、ガラケーが衰退することで困る企業の代表格ではないだろうか。(筆者はあくまでも外野からの視点で語っているのであり、中の人にこの手の話を聞いたことはないので悪しからず。)

両社とも、iPhoneおよびAndroid版の展開に取り組んでいるが、iPhone版は必ず壁にぶつかると筆者は確信している。アップルの支配が強すぎるからだ。

モバゲーもGREEも、儲かってるのは胴元=プラットフォーム提供者になっているからだ。任天堂やソニー、マイクロソフトが据え置き型ゲーム機で胴元になっているように、やはり胴元というのは儲かるのである。しかしながら、iPhoneではその胴元になることが出来ない。なぜなら、アップルという絶対神が居るからだ。iPhoneではアップル以外には胴元になれないのであり、胴元になれないビジネスは旨味がない。ならば自然と両者はAndroid市場の開拓に力を入れるのではないかと予想できるのである。

Androidでソーシャルゲームの胴元になる最良の方法は、自らマーケット=アプリストアを提供することだろう。販売するのはこれまで同様アイテムに限っても良いし、有料アプリがあってもいいだろう。とにかく自社のプラットフォームを活用した良質なアプリ(ゲーム)を揃えるのである。

Androidマーケットはアプリの品質が良くないと言われている。だからこそ、独自マーケットには勝算がある!品質の高いゲームの品揃えを充実させれば、自然と人が集まるだろう。そのように目論んでかどうかは分からないが、Amazonも独自ストアの構想を持っているそうだ。

どこに行けばモバゲーまたはGREEのAndroidアプリが手に入るか。専用のストアほどその答えを明確に教えてくれるものは他にないだろう。それが出来るのはAndroidだけなのである。

2011年にはモバゲーまたはGREEアプリストア for Androidが出現する。

と、大胆に予想してみることにする。

サードパーティの参加がAndroidの普及を押し上げる。

Googleのサービスとの融合も素晴らしい体験だが、それよりもAndroid普及の鍵となるのは、第三者、つまりサードパーティによるサービスだろう。もし筆者の予想が的中し、モバゲーやGREEのAndroidストアが出現すれば、それは確実にAndroid普及の起爆剤になる得るだろう。既存のガラケーユーザーからの乗り換えに繋がるからだ。

Amazonのアプリストアにはどのようなラインナップのものが並ぶだろうか。Amazonが展開するだけあって、電子書籍やコンテンツ系のアプリが豊富に並ぶだろうか。一部ではDRMが掛けられるという噂もあるが果たしてどうだろうか。(DRMアリになると非常に残念である。)

Androidはそもそもオープンソースであり、Androidの改良にすらサードパーティが参加できる。リバースエンジニアリングを禁止するといった馬鹿げた話とも無縁である。サードパーティの参加により、さらにAndroidの「破壊的な」性質に磨きがかかることだろう。プロプライエタリとオープンソースでは既に勝負は見えているのである。

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